輸入小麦に枯れ葉剤の成分が…
1970年代、収穫後に使用される農薬(ポストハーベスト)の問題が世界的に深刻になっていました。
日本でも長時間に及ぶ船旅でも耐えられるように、マラソンやスミチオンが大量に散布された穀物が、タンカーに積まれてやって来ていました。
ベトナム戦争でアメリカ軍が枯れ葉剤として使用した、奇形児や発がん性が強く疑われる成分の一部です。
それを加工しないまま食べた動物園の猿などに奇形が多く見られるようになり、マスコミでも騒がれるような事態になりました。
恐怖のダブルスタンダード
また自分の国では奇形や発ガン性があって使えない農薬を、当時の日本の様な輸入農作物残留農薬検査制度や、法律の制定が遅れていた国への輸出用農作物には使用している、ダブルスタンダードを持った国が出現し、国際的に問題になりました。
もちろん一般の消費者や、あちこちの消費者団体が各地で運動を盛り上げました。
いきなり増えだした『無農薬』『有機』の文字
そしてそれと時を同じくして増え始めたのが、『減農薬』や『有機』『無農薬』の文字。
詳しい基準がまだ制定されていなかった為、一般消費者や市場は混乱しました。
政府は、ダブルスタンダードを持った国から農産物の輸入を規制するヨーロッパの基準に従って、一般的な貿易障壁にならない新しい基準の検討を始めます。